登場人物A

いい意氣込みだ。ところで、英筋トレではそれほどの時間は必要ないよ。この図をみてみて。

登場人物B

ふーむ。frequencyは頻度という意味ですね。縦軸が頻度で、横軸が単語の数ということは、単語の数が増えれば増えるほど、使う頻度が少なくなってくるってことですか。

登場人物A

およそそんな意味だ。より正確にいうならば、日常的で簡単な基礎単語ほど使う頻度が高いが、難しい高レベルの単語になればなるほどその使用頻度は低くなる、そんな意味だ。この図はTedxに出演したLingnan Universityのクリス・ロンズデールさんという人が作ったものだ。興味があればその動画もみてみるといい。こっちがリンク先な。 TEDx Talks クリス・ロンズデール

つまり、単語の使用頻度とその難度は反比例の関係にあるということだ。

登場人物B

なるほど確かに。そう言われてみると、日本語でも俺たちが日常的によく使う単語ってそんな多くないですね。日常的に使う日本語の単語の種類ってどれくらいなんでしょうか。

登場人物A

およそ1000単語前後だ。それが俺らが使う日本語の単語のうちのおよそ85%を占める。日常基礎単語というやつだ。そして、さらに2000単語がおよそ13%の使用頻度。つまり、3000単語で使う単語の約98%を占めている。 それ以上の難単語は使用頻度のうちの2%を占めるに過ぎない。もちろん、このおよその比率は英語でも当てはまるってことだな。

登場人物B

マジですか。これやばいですね。俺、筋トレの勢いで、単語数を増やせば増やすほど英筋もモリモリになってくものだと思ってましたが・・・それ、めちゃくちゃ無駄の多い英筋トレってことになるじゃないですか。 使わない英筋増やしても意味ないですし。俺の目的はあくまで英語ネイティヴたちとマッスルでハッスル、ワイワイやることですから。

登場人物A

そう、時間配分の問題になってくる。貴重な学習時間を使用頻度の低い単語を覚えることに割けば割くほど、使用頻度の高いすでに覚えている基礎単語を使う練習時間は少なくなる。 反復によってのみ、英会話、口からのアウトプットは速くなる。第二次世界大戦中な、アメリカ陸軍が兵士に敵国の外国語を短期間で身につけさせるため、A.S.T.P.(Army Specialized Training Program: 陸軍特別教育プログラム)という方法を使った。この語学教育方法は、アメリカ構造主義言語学者たちがすでに開発していたinformant methodつまりインフォーマント法と呼ばれる方法から来てるんだが、その方法論の核心部分はというとな、 現地人つまりネイティヴとの会話を通して目標言語の話し言葉を習得すること。もともとはアメリカ先住民の言語調査をするために開発されたものだ。

登場人物B

なるほど。「現地人との会話を通して目標言語の話し言葉を習得」ということは、そうですね、使用頻度の高い85%の部分の1000単語を繰り返し使う練習をするってことになりますね。

登場人物A

そのとおりだ。まずは話し言葉に習熟する必要があるんだ。1000単語、これは中学卒業レベルの英単語数だ。だが、日常会話ではそんな簡単な単語しか使わないのに何故しゃべれないんだろうな?

登場人物B

使う練習を反復してないからですね・・・

登場人物A

それはリスニングにも当てはまる。

登場人物B

これは・・・

登場人物A

もっともよく使われるおよそ85%の1000単語を何度も何度もいろんな文脈で聴く練習をしてないからだ。だから聴けないんだ。聴く内容のうち、およそ85%を完璧に聞き取ることができていれば、 残りの15%の部分くらいは推測ができる。あれと同じだよ。「さしいょ と さいごが わてっかれば よまめす」。脳が自動的に補完してくれるんだ。 これをコーチングでは脳のオートパイロットシステムと呼んでいる。だから「最後」に対応するゴール設定が必要なんだ。マッスルのゴールは、、、

登場人物B

英語を話す現地人たちとマッスルでハッスル、ワイワイやることです。

登場人物A

そう。じゃあそのゴールから逆算すると、例えば、どんなリスニング英筋トレ法が必要になってくる?どんな英筋トレ教材が必要になってくる?

登場人物B

まず、日常英単語1000を反復して聴くことが必要で、その教材といえば、、、ああ、だから子供用アニメですか。

登場人物A

子供が聞き取れない難度の高い単語を使っていては、子供は理解できない。理解できなければ面白くない。面白くなければ売れない。出版社は売れるものを出す。日本のアニメを英語に翻訳して英語圏で発売するときも同様。 その英訳の際にはわかりやすい基礎英単語が使われる。しかも、マッスルがよく知っている読み込んでいるアニメだと各場面の意味はすでに知っている。 マッスルはどんな日本アニメが好きなんだ?

登場人物B

ワンピースとか、漫画でもアニメでも何度もみてますね。もう内容覚えてるくらい。

登場人物A

っていうかなんでおまえこっちに来てるんだ。暑苦しい。その英語版をリスニング教材にするんだ。音声英語でそれに対応する英語字幕がついてるやつを探せ。それを絵本を聞かされるように、字幕を見ながら音声を聴きながら楽しんでいけばいい。英語ではどんなふうに表現されるのかと。

登場人物B

これはもう英筋トレというよりは、遊びですね。自分、すでにハッスルに入ってます。

登場人物A

モチベーションもマックスだろ?

登場人物B

押忍!ありがとうございマッスル!